規格どおりに設計したのに、発熱が収まらない!?
大電流基板の再設計は、多くの場合 “規格の外” が原因です。
「1A=1mm」でパターンを引いたら、大電流部で発熱が収まらない
沿面距離を規格表の厳しい側で一律に取ったら、基板が筐体に入らない
電流容量を満たすVIAを打ったら、そのVIAでパターンが引けなくなった
本コラムは、規格の数値が「どこから来て、何を守るためのものか」を整理し、そのうえで80mm角・六角形・4層という制約下で160Aを通す分電基板を実例に、規格・企業標準・基板固有の制約を同時に成立させる考え方をご紹介します。
※本コラムでは、特に注記がない限り銅箔厚35µm(1oz)・外層を前提に記載しています。銅箔厚70µmを前提とする箇所は、その都度明記します。
図1:規格や目安の数値だけを見て設計したときに起きやすい、3つの典型的な失敗です。いずれも「計算上は合っている」点が、発見を難しくしています。
規格は「合格ライン」であって「最適解」ではない
現場でよくいただくのが、「PSEの基準では、パターン幅は何mm必要ですか」というご質問です。これは、一義的にお答えすることが難しい質問です。PSE(電気用品安全法)の技術基準には、パターン幅を直接規定した数値が存在しないためです。
パターン幅の数値を示すのはIPC-2221やIPC-2152といった設計標準であり、PSEは安全規格です。目的も、数値の決め方の論理も異なります。守る対象が異なる基準を「ひとつの基準」として足し合わせると、片方を満たすほどもう片方が厳しくなるという構造的な矛盾が生じます。
本コラムの結論(先にお伝えします)
- 規格が保証するのは安全性です。性能・サイズ・コストは、規格の保証対象ではありません。
- 大電流設計において「1A=1mm」は設計根拠になりません。必要導体幅は電流に比例せず、許容温度上昇・銅箔厚・層位置・放熱経路で決まります。
- 最適解は「規格+自社基準+その基板固有の制約」の交点にあります。どこを厳しくし、どこを別の手段に置き換えるかを、根拠を持って決めることが設計の中身です。
「1A=1mm」は成立しない ─ 幅は電流に比例しない
パターン幅の目安として「1Aあたり1mm」という数字が広く使われています。しかしこの経験則は、電流が大きくなるほど実態との乖離が拡大します。必要な導体断面積が、電流の1乗ではなくおよそ1.4乗で効いてくるためです。
IPC-2221の電流容量式
I = k × ΔT0.44 × A0.725 (I:電流[A]、ΔT:許容温度上昇[℃]、A:導体断面積[mil2])
係数 k は外層 0.048/内層 0.024。式を断面積について解くと A ∝ I1.379 となり、電流が2倍になると必要断面積は約2.6倍になります。比例関係ではありません。
図2:同じ条件(外層・銅箔70µm・ΔT10℃)で電流だけを変えた試算です。160Aを1本のパターンで通そうとすると約165mm幅が必要になり、80mm角の基板には収まりません。
※上表はIPC-2221の簡易式による理論上の最小値です。実務では放熱経路・周囲温度・銅プレーンの有無まで見込む必要があるため、カイロスキでは銅箔厚70µmのとき1A=0.5mmを社内の目安としています。理論値との差が、そのまま実設計で見込んでいる余裕にあたります。最終的な必要幅は、IPC-2152の考え方と実測で検証します。
カイロスキの基準:まず「温度上昇10℃」から設計する
では、何を物差しにするか。カイロスキでは大電流部であっても、まず「温度上昇10℃(理想温度上昇)」を条件としてパターン幅を設定しています。温度上昇を先に決めておけば、幅・銅箔厚・層数・放熱経路のどれで断面積を稼ぐか、という選択の問題に置き換えられるためです。
図3:電流容量の設計で本質となるのは「幅」だけではなく、「断面積」と「発熱管理」です。大電流部では規格値どおりに収まらない場面も多いため、層数や銅箔厚の工夫、実機検証を含めた柔軟な設計判断が求められます。
設計者としての受け止め方
IPC-2221の式は物理法則から導かれたものではなく、1950年代の実測データに対する経験的なカーブフィットです。さらに内層のチャートは、当時外層の値を半分にして作られていたことが後に判明しています。2009年発行のIPC-2152は、板厚・銅箔厚・銅プレーンの有無・周囲環境まで含めた実測でこれを整理し直したものです。
つまりIPC-2221は誤りではなく、安全側に倒れた一次見積り手段と位置づけられます。注意したいのは、その保守性がどこから来て、どれだけの余裕を含むのかを把握しないまま数値を絶対視することです。根拠を理解していれば、「ここは詰められる」「ここは実測で確かめる」という判断ができます。
「この電流を、この銅箔厚で何mm必要か」が判断できずお困りではありませんか。許容温度上昇の設定からご相談いただけます。
「規格」はひとつではない ─ 守る対象が異なる3系統
基板設計に関わる規格は、①人を守る規格、②製品を壊さないための設計標準、③周囲の機器を守るEMC規格の3系統に分けて捉えると、理解がしやすくなります。
図4:同じ基板を評価していても、判定の物差しはそれぞれ別のものです。
実務で注意したい点:省令第1項と第2項を混在させることはできません
技術基準の解釈には、日本独自基準の省令第1項と、国際規格に整合した省令第2項(J規格)の2系統があります。どちらを適用するかは選択できますが、第1項と第2項から都合のよい部分だけを選び取って組み合わせることは認められていません。設計初期にどちらの系統で認証を通すのかを確定しておくことが、後戻りを防ぐ最初のポイントになります。
沿面距離・空間距離は「電圧」だけでは決まらない
沿面距離(クリーページ)と空間距離(クリアランス)は、どちらも動作電圧が決まれば一意に定まる、というものではありません。そして重要なのは、両者は決定要因が異なるという点です。
- 動作電圧(実効値):両者に共通する基本の変数ですが、これ単独では決まりません。
- 汚損度:密閉筐体内か、粉塵や結露のある環境か。沿面距離の主要因であり、空間距離の最小値にも影響します。
- 材料グループ(CTI):基板材の耐トラッキング性。沿面距離のみを決める要因です。FR-4のグレードで区分が変わります。
- 過電圧カテゴリ:商用電源に直結するのか、機器内部の二次側か。想定インパルス耐電圧を通じて空間距離を決める要因です。沿面距離には直接効きません。
- 絶縁の種類:機能絶縁/基礎絶縁/二重絶縁・強化絶縁のいずれか。両者の要求値に効きます。
沿面距離と空間距離の切り分け(混同しやすい点)
- 沿面距離=動作電圧+汚損度+材料グループ(CTI)で決まる。絶縁物の表面に沿った距離のため、材料の性質が効きます。
- 空間距離=インパルス耐電圧(過電圧カテゴリ由来)+汚損度で決まる。空気中を直線で結んだ距離のため、材料の性質は効きません。
これらを踏まえずに「最も厳しい値を全ノードへ」と適用すると図1のNG1に至ります。逆に、二次側の低電圧ノードにまで一次側の値を当てると、本来詰められた領域を活かしきれないことになります。
| 確認したい項目 | 参照すべき基準 | 見落とされやすい点 |
|---|---|---|
| 沿面距離・空間距離 | PSE(技術基準の解釈 別表第十二)/IEC・JIS 60664-1 | 電圧だけでは決まらない。二次側まで一次側の値を当てると面積の無駄になる |
| パターン幅(電流容量) | IPC-2152(現行)/IPC-2221(簡易) | 断面積から必要幅が決まる。電流に比例しないため「1A=1mm」は成立しない |
| 温度上昇 | PSE(製品カテゴリごとの規格)/メーカー各社の企業標準 | 部品単体ではなく系全体。通電時間を定めずに温度上昇値だけを比較しても判断できない |
| 雑音端子電圧・放射妨害波 | CISPR系規格/電安法 別表第十「雑音の強さ」 | 回路定数より基板レイアウトの寄与が大きい。安全・熱対策が悪化要因になり得る |
※各規格は改訂されます。実設計にあたっては、適用する版・製品カテゴリの原典をご確認ください。
企業標準(社内規格)は、緩めるのではなく「目的を特定する」
自社製品を開発する大手メーカーの企業標準は、多くの場合公的規格より厳しい数値が設定されています。その多くは過去に発生した市場不具合の再発防止策が積み上がったものであり、安易に緩めてよいものではありません。
図5:設計解は3つが重なる範囲に存在します。1つだけを見て設計すると、他の評価軸と両立できないケースが多くなります。
カイロスキが取るのは、「厳しすぎるので緩めましょう」というご提案ではありません。その項目が「何を防ぐための数値なのか」を推定し、同じ目的を別の手段で達成できないかを検討して、選択肢としてお出しするという進め方です。たとえば「放電を防ぐための距離」と特定できれば、距離ではなくスリット(溝)で沿面距離を確保する代替案が成立します。目的は変えず、手段だけを物理制約に合わせて置き換える。これが基板設計コラム・後編でご紹介している考え方です。
【実績】六角形・80mm角・4層で160Aを通す分電基板
ここからは実案件です。六角形という特殊な外形、80mm角に収まるサイズ、4層、内層・外層とも銅箔厚70µm。この条件で6系統・合計160Aを通す分電基板の設計事例をご紹介します。
出発点 ─ 市販品では要求条件を満たせなかった
この案件は、当初お客様が市販品の採用を想定していたものでした。ところが当社で実機評価を行ったところ、お客様が指定する外形・サイズの制約下で、160Aを50秒通電したときの温度上昇を50℃以下に抑えられる市販品は見つかりませんでした。お客様から提供された市販品の実測値は、温度上昇106℃です。
汎用品として設計された市販品は、多くの場合標準的な外形と余裕のある実装スペースを前提にしています。今回のように六角形・80mm角という外形が先に決まっている案件では、その前提が成立しません。そこで専用設計に切り替え、要求条件(160A・50秒通電で温度上昇50℃以下)を満たすことを目的に基板を起こしました。
※「市販品では大電流を通せない」という意味ではありません。お客様が指定した外形・サイズという制約と組み合わさったときに、要求を満たす選択肢が残らなかった、という事例です。
図6:層数と銅箔厚という一般的な2つの解決策が使えない状態からのスタートでした。
六角形・80mm角・4層のまま160Aを成立させた、3つの工夫
図7:いずれも「層数・銅箔厚を増やす」以外の方法で、断面積とレイアウト領域を確保するための工夫です。
工夫1:部品を45度・30度で配置する
実装の信頼性を考えれば、部品の向きは90度単位に揃えるのが原則です。しかし六角形の外形では、90度で並べるとパターンを引く領域が残りません。今回はパターン設計を優先し、45度・30度の向きを採用しました。実装工程側の条件確認を先に行い、合意を得たうえでの判断です。
工夫2:銅めっき厚を上げて、外層の実効断面積を稼ぐ
見落とされやすい点ですが、外層のパターン幅計算に効くのは「銅箔厚+銅めっき厚」の合計値です。通常のめっき厚は20µm程度ですが、基板メーカーと相談のうえ30〜35µmまで上げていただきました。70µm+20µm=90µmが、70µm+35µm=105µmになります。断面積で約1.17倍(約17%増)であり、同じ電流なら幅を約15%詰められる計算です。銅箔厚のグレードを上げるより、コストインパクトの小さい選択肢になります。
工夫3:面実装銅バーで、VIAの限界を解消する
今回、最も効果が大きかったのがこの手段です。複数層の合算で大電流を通す設計では、層間を渡すVIAの本数が電流容量から決まります。その本数が非常に多くなった結果、VIAがパターン領域を占有し、確保したかった幅そのものを狭めてしまうという行き詰まりが発生しました(図1のNG3)。
解決策として採用したのが面実装タイプの銅バーです。基板表面に銅バーを実装して導体断面積を直接上乗せすることで、層間合算とVIAへの依存を減らし、必要な電流容量とパターン幅を同時に確保しました。
評価結果 ─ 温度上昇26℃以下、市販品の1/4以下に
設計した基板について、市販品と同一条件(160A通電・50秒)で温度上昇を実測比較しました。結果は次のとおりです。
図8:市販品・当社設計基板とも、160A通電・50秒後の実測値です(同一試験条件での社内比較)。下段の100Aは通電時間が異なる別条件の測定値のため、160Aの数値と並べて比較することはできません。
「この外形サイズで、この電流は成立するのか」──回路図・基板データがまだなくても、成立性の検討からお受けしています。
大電流部の対策が、ノイズを悪化させないために
電源基板・分電基板・モータドライバ基板のように大電流部とアナログ系が同居する基板では、熱対策とノイズ対策が逆方向を向くことがあります。放熱のために必要以上に広げた銅箔がノイズ源になり、絶縁のために入れたスリットが帰路電流を迂回させるのは、その代表例です。
ノイズ対策を整理するにあたっては、パワー系のノイズがアナログ信号へ入り込む経路は3つに分類できると捉えると、どの対策がどこに効くのかを予測しやすくなります。
図9:対策の効果が出ないときは、止めようとしている経路が実際の経路と異なっているケースが多く見られます。
ノイズ対策は「発生させない → 結合させない → 進入させない」の順で検討する
図9は、ノイズが「どこから入るのか」という侵入経路の分類でした。ここからは、そのノイズに対して「どの順で手を打つか」というノイズ対策の優先順位を整理します。上流の対策ほど費用対効果が高く、下流の対策ほど部品追加を伴います。
- ① ノイズを発生させない(ノイズ源側の対策)パワー段の電流ループ面積を最小化します。ただしスイッチングノードを細くするのは逆効果です。パターン幅を絞るとインダクタンス成分が増え、スパイクノイズの原因になります。カイロスキではスイッチングノードを許容電流幅より太く、かつ最短で配線することを基本としています。
- ② ノイズを結合させない(ノイズ源と信号線の間の対策)ノイズ源とアナログ信号の受け側を、距離・層構成・GND層で切り離します。スイッチングノードの対向層にアナログ配線を通さないだけでも効果が出ます。
- ③ ノイズを進入させない(受け側=信号線の対策)フィルタや分圧部品をIC直近に配置し、ノイズが信号線に乗る前に基準GNDへ落とします。部品の定数以上に、配置が効きます。
なお、どのトポロジーを選ぶかによって、ノイズの出方は大きく変わります。方式選定については【電源設計・第1部】勝てるトポロジー選定とは/【第2部】絶縁型主力トポロジーの選び分けをご覧ください。基板レイアウトで苦しくなる前に、方式段階で楽になる選択肢があります。
発熱とノイズが同時に解決できない──その二律背反こそ、カイロスキが得意とする領域です。現状の課題をお聞かせください。
まとめ:最適な基板設計は、「規格どおり」の設計ではない
| 観点 | 「規格・目安どおり」に設計した基板 | 規格+自社基準+仕様で最適化した基板 |
|---|---|---|
| パターン幅 | 「1A=1mm」等の単一係数で決める。小電流では過剰、大電流では不足する | 許容温度上昇を先に決め、断面積で設計。幅・厚み・層・銅バーのどれで稼ぐかを選ぶ |
| 基板サイズ | 厳しい側の値を一律適用するため面積が膨らみ、筐体に収まらない/層数増を招く | ノードごとに要求値を個別判定。スリット等の代替手段で面積を増やさず要件を満たす |
| コスト | 足りなければ層数・銅箔厚を上げる。コスト上限に当たると設計が止まる | 銅めっき厚・銅バー・半田盛りなど、厚み方向で断面積を稼ぐ低コストの手段を先に検討 |
| 外形制約 | 標準的な外形と実装スペースを前提とする。外形が先に決まっている案件では選択肢が残らない | 外形に合わせて部品配置と層構成を組み替える。市販品では成立しない条件でも専用設計で成立させる |
| 試作回数 | 評価段階で不合格となり、レイアウトからやり直しになるリスクが残る | 物理的な矛盾を出図前に解消するため、試作回数の削減と開発期間の短縮につながる |
3つの結論
- 規格は超えるべき最低ラインであって、目指すべき到達点ではありません。規格が保証するのは安全性です。
- 大電流設計において「1A=1mm」は設計根拠になりません。必要導体幅は電流に比例せず、大電流部ほど乖離が大きくなります。温度上昇を起点に、断面積で設計する必要があります。
- 層数と銅箔厚が使えなくても、設計は止まりません。要求条件を満たす市販品がない状況から、六角形・80mm角・4層で160Aを通し、温度上昇を市販品の1/4以下に抑えられたのは、厚み方向と実装部品で断面積を稼ぐ手段を備えていたためです。
よくあるご質問
Q. 「1Aあたり1mm」という目安は使ってはいけないのですか。
数A程度までのおおよその当たりを付けるには使えますが、設計根拠にはなりません。必要断面積は電流の約1.4乗で効くため、電流が大きくなるほど乖離が拡大します。試算では、1Aあたりの必要幅は1A時と160A時で約7倍の差があります。カイロスキではまず許容温度上昇(基準はΔT10℃)を決め、断面積から幅を求める手順を取っています。
Q. 大電流部で、層数も銅箔厚も上げられない場合はどうしますか。
厚み方向で断面積を稼ぐ手段を検討します。具体的には、①銅めっき厚の増加(外層は「銅箔厚+めっき厚」で効きます)、②面実装銅バーの追加、③レジスト剥離+半田盛りです。いずれも層数増より大幅にコストインパクトが小さく、実際に六角形の分電基板ではこの組み合わせで成立させました。
Q. PSEの基準では、パターン幅は何mm必要ですか。
PSEの技術基準は、パターン幅そのものを規定していません。2013年に性能規定化されており、求められているのは「感電・火災を起こさないこと」という結果です。パターン幅はIPC-2152(現行)またはIPC-2221の考え方で決め、そのうえでPSE側の温度上昇の要求を満たすかを確認する、という二段構えになります。
Q. VIAの数が多すぎてパターンが引けません。
大電流基板では頻繁に発生する行き詰まりです。VIAは電流容量から本数が決まるため、後から打つものではなく、面積を占有する部品として配置検討の段階から数えておく必要があります。それでも成立しない場合は、VIAを蓋メッキ仕様(銅ペースト)にしてVIA1個あたりの電流容量を増やす、あるいは面実装銅バーなどで層間合算への依存そのものを減らす方向を検討します。
Q. 市販品ではなく専用設計にすべきかは、どう判断しますか。
判断の分かれ目は外形・サイズの制約です。市販品は標準的な外形と余裕のある実装スペースを前提に設計されているため、外形が先に決まっている案件では選択肢が急に狭まります。実際に六角形の分電基板では、お客様指定の外形・サイズで160A・50秒通電の温度上昇要求(50℃以下)を満たす市販品が見つからず、提供された市販品の実測値は106℃でした。専用設計に切り替えた結果、同一条件で26℃以下に収まっています。まずは外形・電流・温度上昇の3条件を同時に満たせるかを確認することをおすすめします。
Q. 特殊な外形形状でも対応できますか。
可能です。六角形の分電基板では、外形の制約から通常の90度単位の部品配置が成立せず、パターン設計を優先して45度・30度の配置を採用しました。実装信頼性に関わる判断のため、実装工程側の条件を事前に確認したうえで進めています。
Q. 設計途中からの相談でも対応できますか。
可能です。試作後に発熱やノイズの問題が顕在化した段階でのご相談も多くいただいています。既存の基板データに対してフルノード検図を実施し、改善ポイントを一覧でご提示することもできます。
「サイズも層数も増やせない。それでも電流を通したい」
その状態から抜け出すお手伝いをします
パターン幅が引けない。VIAでパターンが狭まる。層数も銅箔厚も上げられない。規格は満たしているのに発熱が収まらない。
こうした二律背反の状態こそ、カイロスキが得意とする領域です。電源・アナログ回路の開発実績1,000件以上の知見から、規格要件を満たしたうえで性能とサイズを両立させる具体的な設計案をご提案します。
回路図・基板データがまだなくても構いません。「この外形サイズで、この電流は成立するのか」というご相談の段階からお受けしています。
あわせて読みたい ─ 同じ監修者による関連コラム
- 【カイロスキの基板設計・前編】アナログ回路基板の手戻りは「レイアウト」で無くす。勝てるアートワーク設計仕様書:規格との折り合いを付ける前提となる、設計指示のつくり方。
- 【カイロスキの基板設計・後編】部品配置チェックとフルノード検図の極意:本編で触れた考え方と、5つの検図軸を詳しく解説。
- 【カイロスキの電源設計・第1部】勝てるトポロジー選定とは:ノイズもサイズも、方式選定の段階で大半が決まります。
- 【カイロスキの電源設計・第2部】絶縁型主力トポロジーの選び分けと量産実績:フォワード/フライバック/プッシュプルの使い分け。
- 市販トランスの限界とカスタムトランスによる最適化の境界線:サイズ制約を磁性部品側から解く選択肢。
- 基板開発の取り組み/実績例:多数の業界での基板開発・試作・量産実績。

